「共感」と「同情」は違います

今年の3月にアメリカ大使館主催で行われた、ダリアン・ロドリゲス・ヘイマン氏の講演会で聞いたメッセージが印象的で、NPO/NGOのファンドレイジングや広報のお手伝いをする中で大切にする言葉になったのでご紹介するとともに、私なりの解釈をご紹介したいと思います。

ニーズがあるから寄付が集まるのではなく、

ニーズを満たす活動をしているから寄付が集まるのだ。

正確な言い回しではないかもしれませんが、おおよそこのようなことをダリアン氏はお話していたと思います。NPO/NGOにとっては、「ニーズ」を「社会的課題」、「ニーズを満たす活動」を「社会的課題を解決する活動」と読み替えたほうがフィットすると思います。つまり、社会的課題があるから寄付が集まるのではなく、社会的課題を解決する活動をしているから寄付が集まる、ということです。

社会的課題を伝えることで「同情」を呼び起こすことができます。同情というのは、かわいそう、哀れみといった感情や施しと呼ばれる行動です。NPO/NGOが求めているものは同情でしょうか。NPO/NGOが作り出したいものは「共感」だと思っています。そのためには、社会的課題を伝えるだけではだめで、どのように社会的課題に取り組んで解決しようとしているのか、まで伝える必要があるのではないでしょうか。社会の変化や課題解決への期待が共感の源泉になると思います。

私がお手伝いしているNPO/NGOには、当事者が登壇する講演会を実施している団体があります。当事者の声を聞くことは社会的課題の現状を知ることができ、とても貴重ではあります。しかし、より多くの支援を得たいと考えるのであれば、当事者の声に加え、団体の取り組み、支援する側の声も併せて伝えていく必要があるのではないでしょうか。さらに言えば、団体の取り組みによって、当事者がどのように変わったか、支援がどのように役に立ったかも、当事者にお話しいただきたい内容になります。

ニーズ(社会的課題)しか伝えないと「同情」、ニーズを満たす活動(社会的課題を解決する活動)まで伝えることで「共感」になると思います。

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