組織基盤の強化に活用できる助成プログラム

非営利団体にとっての「組織基盤の強化」とは、新しい価値を生み出す取り組みや社会的課題を解決する取り組みといった活動を続けて行えるように、安定した運営(組織基盤)をつくり磨いていくことです。非営利団体を貨物船に例えると、積荷が「活動」(「プロジェクト」や「プログラム」とも言います)で、船本体が「組織基盤」ということになります。どんなに船が立派でも積荷がなければ意味がなく、逆に積荷が多くても船が貧弱であれば途中で沈没してしまうかもしれません。

組織基盤強化に関する具体的な取り組みは、以下の4つに分類するとわかりやすいと思います。

活動基盤の強化

市民に理解されるビジョンの設定や見直し、ミッションの明確化・再確認・共有、ビジョンを実現するための中長期計画の策定、国際基準を見据えた事業の見直し、課題解決を加速させるためのパートナーシップの拡大、など

財務基盤の強化

財源の多様化、自己財源の確保や割合の拡大、新たな収益事業の検討、補助金/受託事業依存からの脱却、新たな寄付プログラムの開発、会計の透明性の確保、など

業務基盤の強化

会員(正会員)の定着・参加度合の向上、理事会の活性化、事務局の体制強化、スタッフの確保や育成、評価と改善サイクルの定着、業務プロセスの改善・効率化、ボランティアの参加拡大、など

広報基盤の強化

団体メッセージの開発や見直し、ロゴや制作物などの見直し、ウェブサイト(ホームページ)の活用、スタッフの広報スキルの習得、支援者(会員・寄付者)の満足度調査、広報活動の成果を知るための団体の認知度調査、など

組織基盤の強化に取り組もうと思ったら、自己財源で取り組むことが多くなります。なぜなら、多くの助成金は事業の企画・実施に要する経費のみが対象となることが多く、財務や広報といった団体運営に必要な経費は対象にならないからです。

数は多くありませんが、組織基盤の強化に使える助成金を集めてみました。公募時期や対象団体(条件)などの要項はそれぞれのウェブサイトをよく確認してください。

Panasonic NPO/NGOサポートファンド for SDGs

※例年では7月頃に公募

「Panasonic NPO/NGOサポートファンド for SDGs」は、SDGsが掲げている貧困のない社会づくりに向けて、「海外助成」「国内助成」の2つのプログラムでNPO/NGOの組織基盤強化を応援しています。

一般財団法人日本国際協力システム NGO支援事業

※例年では7~8月に公募

一般財団法人日本国際協力システム(JICS/ジックス)は、途上国で実施する開発援助事業の実施に必要な資機材購入費、輸送費等の直接経費をはじめ、組織の基盤強化につながる本部の人件費や広報ツールの制作にかかる費用などに対する支援を行っています。

損保ジャパン日本興亜福祉財団 社会福祉事業 NPO基盤強化資金助成「組織および事業活動の強化資金助成」

※例年では9~10月に公募、隔年で募集地域が変わります(2020年は東日本地域の予定)

公益財団法人損保ジャパン日本興亜福祉財団では、社会福祉に関する活動を行う団体を対象に、NPOの基盤強化となる「組織の強化」と「事業活動の強化」に必要な資金を助成します。

公益財団法人損保ジャパン日本興亜福祉財団 社会福祉事業 NPO基盤強化資金助成「認定NPO法人取得資金助成」

※例年では9~10月に公募、対象地域は全国

公益財団法人損保ジャパン日本興亜福祉財団は、社会福祉分野で活動し認定NPO法人の取得を計画している特定非営利活動法人に対し、「認定NPO法人」の取得に必要な資金についての助成金も用意しています。

一般財団法人セブン‐イレブン記念財団 環境市民活動助成「NPO自立強化助成」

※例年10~11月に公募

セブン‐イレブン記念財団の「環境市民活動助成」には、「NPO自立強化助成」があります。本来は事務所家賃・専従職員の人件費などとして使われる資金に対し助成することで、これらの資金を自主財源に充当し、安定的・継続的な自主事業の構築・確立を目指す環境NPOを原則3年間継続して支援します。

アーユス仏教国際協力ネットワーク「NGO組織強化支援事業」

※例年9月頃に公募

アーユス仏教国際協力ネットワークの「NGO組織強化支援事業」は、NGOの国内事務所で働く人材に係る人件費の一部を支援することを通して、NGOが自立した経済基盤を築き、組織として円滑に活動するための運営管理や事業遂行の知識、技術、ノウハウを身につけて、持続可能な組織運営を達成するとともに、活動のさらなる充実や質的な向上につなげてもらうことをめざしています。

ソーシャルベンチャー・パートナーズ(SVP)東京

※例年2~3月頃に公募

ソーシャルベンチャー・パートナーズ(SVP)東京は、社会的な課題の解決に取り組む革新的な事業に対して、資金の提供とパートナーによる経営支援を行っています。年間100万円を限度にした資金の提供と同時に、1~2年に渡ってSVP東京のパートナーが組織に対する経営支援を行い、組織基盤の強化を図ります。

「組織基盤の強化」に使える助成金と言っても、ただ管理費や間接費に使える資金を得たいという考えだけでは助成金は獲得できません。幅広い組織基盤強化の取り組みの中で、自分たちの団体に最も必要な取り組みは何かを見極めなければなりません。このことを組織診断と言います。助成金申請書の作成も骨が折れる作業ではありますが、むしろ組織診断に時間がかかります。組織基盤の強化の必要性を感じていれば、公募開始を待たずに組織診断を始めることをおすすめします。ファンドレイジングのレシピでは、組織診断や組織基盤の強化のための伴走型支援を行っています。お気軽にお問い合わせください。

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