毎年12月は寄付月間です。寄付月間(Giving December)とは、日本で2015年から始まった全国規模で行われる寄付の啓発キャンペーンです。特定のNPOへの寄付を呼び掛けるキャンペーンではなく、寄付について考えるキャンペーンであり、寄付を文化にするキャンペーンと言えます。そのような寄付月間に取り組んでおきたいことをまとめてみました。
これまでの発信内容を見直す
寄付者が寄付をする時、ほぼ必ずNPOのウェブサイトやSNSを確認します。発信内容を改めて確認しましょう。活動の目的や内容が正確に伝わっているか、信頼できる人(役員や職員)がやっている団体だとわかるか、活動の報告をこまめにできているかなど、を確認しましょう。ウェブサイトやSNSの発信内容から安心して寄付できる団体と思われることが重要です。特に活動報告は、寄付したお金がどのように使われるのかを知るうえで特に重要な情報です。写真や動画なども織り交ぜながら活動報告をしましょう。ウェブサイトやSNSでの情報発信が、イベント参加者募集やボランティア参加者募集など募集記事ばかりになっていないか見直してください。
これからの活動を考える
寄付月間の翌月には、すぐに次の年がやってきます。寄付月間で寄付者を増やすことを計画しているのであれば、寄付者のリストをどのように管理し、分析し、活用するのか、先を見越した計画を立てておきましょう。
寄付は「未来の選択」とも言われています。それぞれのNPOが作りたい未来(ビジョン)を考える期間にしてもよいと思います。寄付者・支援者とともに意見交換をしながらNPOのビジョンを考えてもいいかもしれません。また、多くのNPOや企業が寄付月間に賛同しています。寄付月間をきっかけに、他の賛同NPOや賛同企業とつながる絶好の機会にもなります。
寄付者・支援者と交流する
12月はクリスマスパーティーや忘年会などイベントを開催しやすい時期であり、1年を振り返るタイミングになります。1年間、団体を支えてくれた寄付者と役職員が交流することを目的としたイベントを開催しましょう。お金の寄付だけでなく、時間を寄付してくれるボランティアも重要な寄付者です。イベントの開催が難しいようであれば、クリスマスや年末のごあいさつのお手紙、年賀状でも構いません。
日本には「寄付の文化がない」と言われますが、むしろ「寄付が文化になっていない」といったほうが適切かもしれません。寄付を文化にするためには、寄付をする寄付者と寄付を集めるNPOが一緒に行う取り組みが必要だと思います。「寄付月間」は「ファンドレイジング月間」ではありません。NPOが寄付を呼び掛けるファンドレイジングに終始するのではなく、寄付者の立場に立って、お金や時間を寄付する目的、なぜ寄付者は寄付をするのかなどを改めて意見交換することが必要なのかもしれません。