NPOにとって、報道機関(マスメディア)に対する働きかけは、お金がかからない活動としてぜひチャレンジしていただきたい施策です。テレビで紹介されると、紹介された活動や団体の認知の拡大、理解度の増大、話題の拡散が期待できます。しかし、報道機関の中でもテレビは影響力がある一方で、難易度が高いのでちょっとしたコツが必要です。
相手を知ることから
NPOの活動を取り上げてくれる可能性が高いのは、情報番組や報道番組です。闇雲に働きかけるのではなく、相手をよく知ったうえで働きかけることが大切です。情報番組や報道番組には特集やシリーズといったコーナーがあります。自分の団体や活動が、どの番組の、どのコーナーに合うのかをしっかり分析・把握した上で該当する番組にアプローチするのが効果的です。番組のコーナー名まで調べるのはなかなか大変ですが、インターネットを使うことで効率的に調べることができます。
ウィキペディア(Wikipedia)
番組名をウィキペディア(Wikipedia)で検索すれば、コーナー名と放送時間まで調べることができます。
TVでた蔵(https://datazoo.jp/)
関東地域で放送されている番組が中心になりますが、番組で放送された内容概要を紹介しているウェブサイトです。
まずはプレスリリースで
新聞や雑誌などの報道機関であっても、訪問して説明するのがベストです。しかし、面談の約束(アポイント)を取るのは簡単ではありません。面談の約束に近づくためにも、まずはプレスリリースから取り組みましょう。プレスリリースの配信先の宛名は、「番組」「コーナー名」「(個人名)様」で出すのがベターですが、少なくとも「番組」「コーナー名」「担当ディレクター様」で出しましょう。
プレスリリースには画像を多めに
テレビと他の報道機関の違いは、映像(視覚と聴覚)メディアである点です。特に「画になるのか」という視点は情報を届けるうえで重視しておかなければなりません。プレスリリースには映像のイメージが付きやすいように画像を多めに用いるのが効果的です。また、その映像が、いつ、どこで、撮影できるのかをプレスリリースに必ず記載するようにしましょう。
情報ではなく企画にする
番組関係者は新しい活動などの「情報」を探しているのではなく、「企画」を探しています。番組/コーナーは「情報」がひとつだけでは成立しません。複数の情報を、ひとつの切り口で編集することで企画になります。自分の団体の活動を織り込んだ「企画」を考えて提案できれば、テレビ番組の露出に近づきます。切り口となるのは、「季節の話題「祝日や記念日」「流行・トレンド」「旬なニュース」などです。
同じ報道機関でも新聞や雑誌といった活字メディアと映像メディアであるテレビは働きかけ方が異なります。すぐにテレビに取り上げられなくても、映像メディアの特徴をつかむために根気強く取り組んでみてください。