オンラインミーティングでも、対面イベントでも、寄付をお願いする機会はあると思います。そのようなときにあると便利なのが寄付をお願いするためのプレゼンテーション資料です。このプレゼンテーション資料は、団体が何者であるか、過去に何を達成したか、将来のビジョンを説明し、寄付するモチベーションを高める内容が記載されます。
1.オープニング
寄付を検討している人は、最初の1~2枚のスライドを見て、残りのプレゼンテーションを聞く価値があるかどうかを判断します。冒頭のオープニングでは、感情に訴えかけるスライドを用意しましょう。団体の歴史や統計データからはじめるのではなく、受益者の象徴的なストーリー(ケーススタディ)からプレゼンテーションを始めることができないか、検討しましょう。
2.団体のビジョンや目標
団体は何を目指して活動しているのか、寄付をすることでどのような社会が実現するのか、そしてなぜそれが重要なのか、誰もがイメージできるように簡潔かつ具体的に説明します。団体のビジョンや目標は、寄付者にとって、なぜその団体に寄付をしなければならないのかの理由になります。
3.活動内容
現在どのような活動を行っているのかを伝えます。複数のプログラムを実施し、複数のサービスを提供している場合、必ずしもすべてのプログラムやサービスを詳しく説明する必要はありません。ビジョンの実現に向けて幅広い活動に取り組んでいることを伝え、寄付を検討している人に関心のある活動を見つけてもらえることが重要です。
4.実績
団体がこれまでどのように社会や受益者に変化をもたらしてきたか、これまでの成果を示します。統計やグラフなどを使って定量的に示すこともできますが、受益者のインタビューやヒアリングから得られた定性的な情報(ストーリーや言葉)で示すこともできます。定性的な情報を定量的な数値で裏付けることができるのが理想です。
5.団体概要(沿革を含む)
ビジョンを実現するために、適切に財源が管理され、信頼できる団体であることを、寄付を検討している人にわかってもらうため、理事会や財務、住所や連絡先など、団体の概要のスライドを作ります。また、団体を設立してからこれまでどのような活動に取り組んできたかという団体の歴史・沿革のスライドを作ってください。
6.計画
寄付はどのような活動に使われるのか、その活動で受益者にどのような変化を与えることができるのか、その活動を実現するにはいくらの寄付を集めなければならいないかは、スライドを作って説明しましょう。特に新しい活動を始めるために寄付を呼び掛ける場合の資料には、新しい活動が行き当たりばったりの思い付きの活動ではないことを説明するためにも、計画を入れておいた方が良いと思います。また、団体で中期計画(3か年~5か年)を策定しているのであれば、中期計画も寄付者向けのプレゼンテーションに入れておきましょう。
7.寄付の方法
最後にどこで寄付ができるのか、どうやって寄付ができるのかを伝え、寄付をお願いすることを忘れないでください。寄付に協力することによる特典があるのであれば、明記しておいてもいいでしょう。
オープニング以外は、順番は自由です。話しやすい順番、相手に理解してもらいやすい順番を工夫してみてください。また、枚数も制限する必要はありません。プレゼンテーション資料は、相手に合わせてスライドを増減できます。寄付を集めるためのプレゼンテーション資料は、ウェブサイトやパンフレット、動画、助成金申請書などにも応用できる基礎的な資料となります。プレゼンテーション資料を実際に使ってみて、寄付者の意見や質問を参考にして、繰り返し改訂し、よりよい資料にしていってください。