募金箱はNPOのファンドレイジングの原点とも言えるファンドレイジングに欠かせないツールです。小さなNPOであれば、活動を伝える広報のツールにもなります。募金箱の効果的な使い方について考えてみたいと思います。
募金箱を置く場所を見極める
クレジットカードやキャッシュレスではなく、現金で決済をする業態の店舗に募金箱を設置します。また、店舗の中でも財布を開ける瞬間、つまりレジ横に置いてもらうのが理想です。街頭募金であれば、駅前など人通りの多い場所で実施してください(鉄道会社や警察の道路使用許可は必ずとりましょう)。NPOが主催するイベントではファンドレイジングが目的ではなくても募金箱を用意しておくといいでしょう。
ビジュアル(写真)で伝える
募金箱への注目度を高めるために目を引く写真を使います。受益者の状況や活動を伝えることができる写真にします。写真を使うことで、その募金が何のための募金であるか直感的に伝えることができます。受益者や活動に関する写真のほか、団体名と団体ロゴと連絡先はNPOの信頼性を高める情報になるので必須です。また、QRコードを記載することでウェブサイトへ誘導することができます。
文章や数値で補足する
写真だけでなく、1~2行の短くて力強いキャプション(説明)を入れると効果的です。数値データは、寄付者に小銭を寄付するよう促す情報になります。NPOがこれまでに成し遂げてきた実績を数値で伝えることができるとよいでしょう。自分の募金が受益者の状況を大きく変えると信じることができれば、募金に協力する可能性が高くなります。
具体的な金額を提案する
募金箱の周囲に置く説明では、現実的な募金金額を具体的に提案してください。募金箱では紙幣よりも硬貨の場合が多いので、300円や500円、最高でも1,000円程度といった金額で、どのような活動ができるのか、どのような活動に使われるのかを伝えましょう。継続して団体を運営できることやプログラムが実施できることではなく、受益者(受益者の変化)に焦点を当てたメッセージが理想です。たとえば「あなたの募金で、子ども食堂が継続できます」ではなくて、「あなたの500円の募金で、子どもが栄養満点の食事を1回食べることができます」といった伝え方です。
透明な募金箱を使う
一時的な募金箱であれば、どのような募金箱でもかまいません。継続的に設置や活用を考えるのであれば、透明な募金箱を使いましょう。募金箱の中身が見えることで、さらに募金を促します。そのためには、事前に小銭を募金箱に入れておく工夫も重要になります。他の人が寄付をしているのがわかれば、自分も参加したいと思ってもらえます。
すべての人に感謝をする
たとえ今日募金に協力してくれなくても、時間と注意を割いてくれた人には必ずお礼を言いましょう。そうすることで、次に通りかかったときに自分の頼みを聞いてくれる人がいるかもしれないからです。あなたの募金のお願いに対して断られたときが、募金のお願いの出発点になることを覚えておいてください。持ち運びの邪魔にならない小さなサイズ(たとえば名刺サイズくらい)の団体紹介を配布するのもいいでしょう。
募金箱は街頭募金やイベントだけでなく、 事務所内や店頭に置いてもらう提案など企業との連携・パートナーシップにも活用できます。また、現金以外にもはがきや切手、貴金属などの物品を集めることもできます。工夫次第で、さまざまな機会に募金箱は活用できます。