ピアツーピア・ファンドレイジング（Peer to Peerファンドレイジング、P2Pファンドレイジング）とは、会員や役員、ボランティアなど資金調達をしてくれる支援者（ファンドレイジング・ボランティア）を募集し、団体に代わって個人が募金の呼びかけに取り組む手法です。P2Pファンドレイジングに取り組むメリットや進め方をまとめてみました。
P2Pファンドレイジング：3つのメリット
P2Pファンドレイジングは、規模や目的を問わずどのような団体にとっても効果的なファンドレイジングと言えます。
募金への協力を得やすい
人々は、検索エンジンではなく「信頼できる人」から情報を得る方が効果的だと気づきだしています。「NPOからのお願い」よりも「信頼できる人からのお願い」の方が人を動かす力があります。NPOの活動を知らなくても、「その人が言うのなら」という理由で募金に協力してくれます。
支援の輪が広がる
P2Pファンドレイジングは、支援の輪を広げることができます。NPOが持っているつながりではなく、ファンドレイジング・ボランティア個人のつながりを活かしたファンドレイジングだからです。
NPOへの理解が深まる
P2Pファンドレイジングに参加するファンドレイジング・ボランティアがNPOに代わって募金活動を行うことで、NPOとファンドレイジング・ボランティアがファンドレイジングの成功をともに喜び合うことができます。NPOをより深く知るようになり、NPOの理念や活動、スタッフとの絆が強まります。
P2Pファンドレイジングの進め方
キャンペーンの募金目標を設定する
P2Pファンドレイジング全体の募金目標を定めます。他の団体の取り組み事例を参考にして、自分たちの団体に合った目標を設定します。あわせてP2Pファンドレイジングに参加するファンドレイジング・ボランティアの募集目標（定員）も設定します。
ファンドレイジング・ボランティアを募集する
ファンドレイジング・ボランティアなしにはP2Pファンドレイジングは成立しません。まずは、すでにNPOの理念を理解し、共感してくれている会員やボランティア、役職員から声を掛け、力を借りましょう。退会者や退職者も協力してくれる場合があります。
ファンドレイジング・ボランティア個人の募金目標を設定する
具体的な目標（目的地）があると、そこに近づいていると実感が持て、ファンドレイジング・ボランティアのモチベーションを高めることができます。目標が高すぎると逆効果になりますので、キャンペーン全体の目標と同様にファンドレイジング・ボランティア個人の経験や思いに合った目標を設定しましょう。ファンドレイジング・ボランティアには、「●日までに●●円を達成する」といった中間的な目標を設定するようにすすめましょう。目標を細かく設定することで、モチベーションを維持できます。
学びの機会を提供する
会員やボランティアとして活動に深くかかわっている人であっても、募金活動が得意な人ばかりではありません。課題は、P2Pファンドレイジングに参加するファンドレイジング・ボランティアが抱く「募金活動をすることに対する不安」を克服することです。募金活動を行うときの伝え方の資料や講座といった学びの機会をあらかじめ用意しておくことでファンドレイジング・ボランティアの不安が解消できます。ファンドレイジング・ボランティアには、募金活動のお願いの仕方や感謝の重要性だけでなく、改めてNPOの理念や活動内容、キャンペーンの目的を丁寧に共有しましょう。
イベントをつくる
P2Pファンドレイジングは、個人が個人に募金を呼び掛ける活動がメインですが、NPOとファンドレイジング・ボランティアが一緒に企画するイベントと組み合わせることで、キャンペーンの期待感を高め、盛り上げることができます。
また、ファンドレイジング・ボランティアとスタッフの定期的なミーティングも効果的です。ファンドレイジング・ボランティア同士のうまくいった取り組みを共有し合うことで仲間意識が生まれますし、キャンペーン期間中のファンドレイジング・ボランティアに対するサポートにもなります。
団体を中心に進めるファンドレイジングは個人戦であり、団体内の資金調達担当者（ファンドレイザー）は孤独とも言えます。P2Pファンドレイジングは、ファンドレイジング・ボランティアと一緒に取り組む団体戦になります。仲間たちとともに楽しむことを忘れないでください。ぜひファンドレイジングに対する経験・体験をよいものにしてください。
