NPOは、1年を通じてさまざまなイベントを開催しています。イベントはNPOにとって無くてはならない活動のひとつではないかと思います。イベントを成功させるためのポイントを7つご紹介いたします。
団体の理念との関連を把握する
とりわけ定期的に開催しているイベントは、開催することが目的になってしまうことがあります。なぜ時間やお金を使ってまでイベントを開催するのか、団体のビジョンやミッションから考えておくことが肝要です。
イベントの実施目的を明確にする
「何を知ってもらい、どんな行動を起こしてもらいたいのか」を考えることが、イベントの実施目的を考えることです。たとえば、団体の活動を知ってもらうことでボランティアに参加してもらう、支援者に感謝を伝えることで継続した支援をしてもらう、といったものです。実施目的とは、言葉を変えれば、イベントによって何を達成したいのかを明確にすることです。
イベント参加層を想定する
イベントのねらいに合わせて、あらかじめ「どんな人にイベントに参加してもらいたいか」想定します。イベント参加層が想定されていることで、プラグラムや開催日、会場を選ぶ際の判断基準となります。
参加層に最も伝えたいことを決める
想定する参加者に対して、何を一番伝えたいのかを明確にします。シンプルで簡単なメッセージのほうが伝わりやすくなります。伝えたいことを詰め込むと、具体的なメッセージが伝わらず、メッセージがたくさんあるということしか印象に残りません。メッセージは必ずしも団体が日頃から使っている言葉にこだわらないほうがよいときもあります。
NPOに関心が低い人たちへのアプローチ
グルメ・食、ファッション、スポーツ、音楽、文学、アートなどNPOやNPOが取り組む社会的課題とは関係がなさそうな「参加層の関心ごと」からイベント内容を考えることも効果的です。関心ごとへの興味からイベントへ参加してもらい、NPOや社会的課題への気づきや興味・関心を持ってもらうことが期待できます。まず参加層の関心ごとを調べ、NPOの活動とどのように結びつけることができるのか考えてみてください。
イベントのプログラムを検討する
NPOが取り組めるイベントは「講演会・シンポジウム」だけではありません。NPOが行っているイベントとして「写真展」「販売会/展示会」「コンサート」「セレモニー/式典」「公募企画」「スタディツアー(現地訪問/視察旅行)」「スポーツ大会(チャリティウォークなど)」などを見たことがあります。比較的NPOと相性がよいが、体験型や参加型である「ワークショップ」です。なお、ワークショップという用語は非常に多様な意味を持っています。正確に伝えるためにも、ワークショップを「体験型講座」「意見交換会」「ゲームを取り入れた研修」など言い換えしておくことをおすすめします。
イベントに広がりを持たせるための工夫
参加層を意識しながら、同じ地域で活動する他分野のNPO、他の地域で同じ活動を行うNPO、CSR/社会貢献に意欲的な企業・団体などと連携して開催できるとイベントに広がりが出てきます。地元の新聞社や自治体、中間支援団体から後援を得ることでイベントに対する信頼を高めることができます。
広報担当者にとってイベントと言うと「イベントのちらしをつくること」だと思われています。しかし、イベントそのものが団体のメッセージを発信する機会です。「イベントの企画・実施」を広報活動と捉え、「イベントを広報する」ではなく「イベントで広報する」という姿勢で取り組みたいものです。