寄付ちらしのつくり方

クレジットカード決済やクラウドファンディングなど新しいファンドレイジングの手法が登場しても、寄付依頼文と払込取扱票(郵便振替用紙)をダイレクトメール(郵送)するやり方が廃れてきたわけではありません。今回は、依頼文と払込取扱票が一体となった、いわゆる「寄付ちらし」をケーススタディしてみたいと思います。サイズはすべてA4で、郵振にミシン目が入っている加工は同じです。

払込取扱票(郵便振替用紙)を独自に制作・印刷するには、ゆうちょ銀行の承認が必要です。用紙にも指定があります。制作・承認には、ノウハウが必要になるため、デザイナーや印刷会社と相談されることをおすすめします。

<事例1>

「ファンドレイジング日本2018」で配布されていたフローレンスの寄付ちらしです。社会的課題、取り組み(解決方法)、募金で実現することが写真とともにシンプルにまとめられています。にぎやかなデザインは、若々しくフローレンスらしさを感じます。郵振は青を使い、振込手数料は募金者が負担する仕様になっています。裏面には、保育園の利用者(裨益者)の声と寄付者の声が掲載されています。

 

<事例2>

シャプラニールの季節募金(寄付キャンペーン)の寄付ちらしになります。シャプラニールでは複数の国で、複数のプロジェクト(支援活動)を実施していますが、活動をひとつに絞り紹介しています。小見出しでは「3,000円で、・・・」、「5,000円で、・・・」と、寄付で実現することを伝えています。郵振にも寄付額の選択肢が印刷されています。赤郵振の場合、振込手数料は団体負担になります。裏面にも、同じプロジェクトの紹介が記載されています。

 

<事例3>

国際協力NGOセンター(JANIC)の30周年記念募金の寄付ちらしです。周年事業での寄付キャンペーンですので、表面にはこれまでの団体や国際協力NGO業界の歩みが記載されています。裏面には、寄付で実現したいことの企画案が説明されています。中間支援組織やネットワーク型NGOでは、なかなか寄付ちらしに使用できるいい写真がないケースが多いのですが、JANICは役員と職員の集合写真を使っています。「寄付は人にする」という考え方もありますし、事務局の顔が見えていいのではないかと思います。

 

<事例4>

テラ・ルネッサンスの「ふるさと納税」を呼び掛ける寄付ちらしです。ふるさと納税というのも、企業向けというのも、どちらも珍しい事例だと思います。企業向けになっているので、損金算入の説明があります。創設者の顔写真と直筆サインとともに、メッセージを記載することで信頼性が高まっていると思います。裏面は、ふるさと納税の仕組みが説明されています。

 

<事例5>

事例2同様、シャプラニールの季節募金の寄付ちらしです。このちらしは私も制作にかかわっていますが、キャンペーン企画中にネパール大地震が発生し、急遽内容を差し替えました。限られた時間での制作ということもあり、表面は事務局長の手書きメッセージのみで構成しました。手書きのメッセージで緊急性を伝えることができました。郵振の通信欄では、「夏期募金」「ネパール指定募金」の2種類を選択肢として記載していますが、裏面に詳しい説明があります。

 

<事例6>

こちらも私が制作に関わった寄付ちらしです。裏面には活動紹介を記載していますが、表面にはあえてコンテンツを入れませんでした。コンテンツを入れてしまうと、どうしても「賞味(消費)期限」ができてしまいます。表の白紙の部分には、寄付依頼文を事務所のプリンターで後からプリントすることを想定しています。新規入会のお願い、会員継続のお願い、寄付のお願いと依頼文を変更することで、柔軟にかつ長く活用できます。

 

まとめ

繰り返しになりますが、クレジットカード決済など新たな送金方法・寄付手法が生まれても、依然として郵便振替用紙を使ったファンドレイジングは有効だと思います。住所や名前など備考欄・通信欄を活用できることも郵便振替用紙の大きな利点です。これまで制作したことがない団体は、他団体の事例を参考にして一度検討してみるのもいいと思います。