どのNPOも、団体に貢献してもらえる新任理事の選出には苦労していると思います。新任理事を選ぶ際には、4つのCが参考になります。
Character(人柄)
理事は、他の理事と協力して意思決定や業務執行をしてかなければなりません。理事同士で互いを尊重し、信頼し、誠実で責任ある行動ができる人柄なのかは選任時点で確認しておく必要があります。理事ひとりひとりの人柄は組織全体の評判に影響を及ぼします。理事の人柄は、支援者や地域社会、今後の新任理事の採用にも影響しますので、とても重要な視点です。自己の利益よりも組織や社会への貢献を大切にする、注意義務・忠実義務を果たせる人を候補しましょう。
Culture(文化)
組織の文化を尊重してもらえるかは重要な視点になります。価値観と言ってもいいかもしれません。文化や価値観とは、自分たちのNPOにとって何が正しく、何が良いと考えているかという信念・理念です。すでに多くのNPOは理念を明文化しているはずです。理念を実現するための理事ですので、文化・価値観・理念を尊重できない理事はその団体の理事には向いていません。
Competence(能力)
新任理事が持っている経験や専門知識といった能力も確認しておく必要があります。過去の理事会、団体の歴史や実績に関する知識を蓄積し、最新情報に保っておく好奇心といった能力は必須です。これに加え、団体が直面する複雑な課題に適応できるように、さまざまな経験や知識を根拠に解決策を導き出す論理的思考力が重要になります。すべての理事が同じような経験や専門知識を持っているよりも、今の理事に欠けている経験や専門性を持っている候補者を選びましょう。そうすることでより健全な意思決定ができるようになります。
Connection(つながり)
理事の大きな役割のひとつは、団体の理念実現のために資源を調達することです。理事が持っているつながりを考慮することも忘れてはなりません。資産家とのつながりはそのひとつですが、社会に貢献したいと思っている人々とのつながり、社会的に影響力のある人々とのつながりも重要です。「今誰とつながっているか」だけではなく、つながりを増やしていく努力と時間を団体のために負担できる候補者が理想です。
新任理事のリストを作成する前に、団体の組織文化の明文化、現在の理事メンバーがもつ経験や専門性、つながりの棚卸しはしておく必要があります。団体が求めている特性がわかれば、候補者を見つけるのはずっと簡単になります。候補者に何を求めているのかが明確に分かっていれば、人と話をするときにそれが真っ先に頭に浮かび、求めている特性に注意を払うようになります。さまざまな場面で候補者となりうる人物を見分けることができます。