ファドレイジング計画策定に役立つ「CPFの原則」

ファドレイジング計画策定に役立つ「CPFの原則」

ファンドレイジング(資金調達)計画は、一定の期間(通常は1年間)のファンドレイジング活動のすべてを整理したものです。ファンドレイジング計画には、募金キャンペーンの目標や日程、支援者への報告や感謝の計画、イベントの開催計画などが含まれます。ファンドレイジング計画を策定する際、いきなり新規会員や寄付者の獲得を狙うのではなく、現在の支援者や過去の支援者への施策から考えるのがNPOにおけるファンドレイジングの原則です。この原則を「CPFの原則」と名付けます。NPOの寄付者分布を分析するために作成するドナー・ピラミッドとの関係とともにご説明したいと思います。

ドナーピラミッドを考える

ドナーピラミッドを考える

2016.09.09

1.C-Current(現在)

ファンドレイジング計画で真っ先に考えなければならないことが、既存の会員やマンスリーサポーターの継続率を高めることです。団体をいま支えてくれている支援者の維持です。

ドナー・ピラミッドでは、ピラミッドの形や大きさを維持する施策と考えることができます。資金的な支援者のみならず、ボランティアやイベント参加者と言った非資金的な支援者の維持も含まれます。また、すでにドナー・ピラミッドの内部にいる支援者に次のステップを登ってもらう施策が必要になります。たとえば、非資金的な参加者に対する寄付の呼びかけ、1回限りの寄付者に対する継続的な寄付や大口の寄付を呼びかけるなどの取り組みです。

CPFのCは、Current(現在)のC
寄付受領から次の寄付依頼までにやっておくこと

寄付受領から次の寄付依頼までにやっておくこと

2021.03.16

2.P-Past(過去)

新規支援者の獲得の前に考えなければならないのは、退会者への働きかけになります。つまり、過去に団体に関わったことのある人を対象にした施策です。会員やマンスリーサポーターなどの退会者のほか、役員退任者、事務局退職者、過去のボランティア活動参加者やイベント参加者などです。

寄付者別に考える感謝を伝える12の方法

寄付者別に考える感謝を伝える12の方法

2021.12.08

1度ドナー・ピラミッドの外に出てしまった支援者を再びドナー・ピラミッドの中に呼び戻し、ドナー・ピラミッド全体を大きくしていく施策です。一度は団体や団体が取り組む活動に興味を持ってくれた人々です。最新の活動や近年起こった変化を伝えることで、再び関心を持ってくれる可能性があります。

CPFのPは、Past(過去)のP

3.F-Future(未来)

最後に、未来の支援者、つまり新規支援者の獲得のための施策を考えます。新規支援者獲得のための施策は最後で構いません。

ドナー・ピラミッドの中に一度も加わったことがない人々への働きかけになります。非資金的な参加や1回限りの寄付を呼びかけて、まずは団体への信頼や理解を高めていく取り組みが必要になります。特にドナー・ピラミッドの土台を大きくすることにつながります。

CPFのFは、Future(未来)のF
寄付をお願いするときのパワーワード&フレーズ

募金をお願いするときのパワーワード&フレーズ

2021.06.09

現在の支援者の維持から計画を考えることで、目標額に対する見込み額が計算しやすくなります。新規支援者の獲得に係るコストは、既存支援者の維持に係るコストの5倍とも言われます。 現在の支援者の維持から 考えることで、新規支援者の獲得にどれだけの予算や手間をかけなければならないかが把握しやすくなります。