NPOで試したいスタッフのモチベーションを高める4つの戦術

多くのNPOではスタッフに支払う給与は低く、ボランティアの参加によって成り立っています。採用直後は、意欲に燃えて取り組んでいたスタッフも、3年ほど経つとその熱意が冷め、5年も経つとマンネリや疲弊が見えてきます。そのため、企業と同じかそれ以上にNPOでは、スタッフのモチベーションを高めることが重要になります。NPOで試したいスタッフのモチベーションを高める戦術を考えます。

ビジョンやミッションを伝え続ける

NPOのスタッフになる人は、仕事の意義や目的を大切にする人です。仕事の意義や目的がモチベーションになっています。NPOが掲げているビジョンやミッションを常に共有するようにしましょう。また、時にはスタッフ全員でビジョンやミッションを見直すこともモチベーションを保つためには必要になります。繰り返し共有し続けることが何より大切です。スタッフミーティングなどの場でビジョンの進ちょくやミッションの実践の成果となる受益者の変化、社会へのインパクトを共有し合う、現場視察など「自分の仕事が社会の役立っている」と自覚できるような仕掛けを作ってください。

ミッション・ドリフトとは何か、ミッション・クリープとは何か

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2024.07.23

役割や責任を明確にする

NPOでは少人数で業務を行っているため、兼任体制が当たり前で、仕事の役割や責任が明確になっていないことがあります。これは、ストレスや言い訳、他人のせいと思う原因となり、スタッフのモチベーションを低下させます。ビジョンやミッションといった組織共通の目標の中で、スタッフ一人ひとりの役割や責任を持ち、個人が設定した目標の達成のためにパフォーマンスを発揮することでモチベーションが高まります。

創造性で評価する

生産性だけで評価すると簡単に代替可能だと思われてしまい、NPOのスタッフはモチベーションを低下させるかもしれません。NPOでの仕事は自己表現のひとつです。どこまで自己表現することが許されているかはモチベーションに影響します。創造性での評価は失敗の許容度と関連します。新しい仕事や挑戦は失敗がつきものです。失敗やミスに対して必要以上に批判や罰があると新しい仕事や挑戦に後ろ向きになりモチベーションに影響します。失敗やミスに対して、何が起こったのか、なぜ起こったのか、今後同じ失敗やミスを避けるためにどのようにできるのか、チームでコミュニケーションを取ることが重要です。

ボランティアの定着率を高める施策

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2021.07.14

学びや成長の場を提供する

NPOのスタッフは、プロフェッショナルとして成長し続けることがモチベーションのひとつになります。NPOのスタッフとしてスキルを高めて知識を広げられるよう、人材育成への投資が必要です。社内研修として同じ活動分野の先駆者の講演会を企画してみたり、組織や世代を超えて現場を訪問してみたり、お金をかけなくてもできることはあります。スタッフ一人ひとりによって学びたい内容は異なります。新しい仕事や挑戦こそが学びとなることもあります。個人面談などでスタッフの期待を確認することも大切なプロセスです。

社会を変えたいNPOが大切にしたい5つのE

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2023.01.04

スタッフのモチベーションが低下すると、NPOの活動は進んでも、アイデアや工夫する意欲が減り、次第に組織全体に悪影響が出てきます。モチベーションの維持や向上のためには、自分が尊重され、評価され、社会の役立っていると感じられる組織文化の醸成が欠かせません。短期的な戦術だけでなく、長期的な戦略をもって取り組んでください。