NPOが策定している中期計画の事例

NPOが策定している中期計画の事例

NPOが策定している「中期計画」の事例を集めてみました。NPOはどのような中期計画を策定しているのでしょうか。ご自身のNPOで中期計画を策定される際、ご参考になさってください。

あいちコミュニティ財団「セオリー・オブ・チェンジ2020」(2017年度版)

「セオリー・オブ・チェンジ2020」という名称で中長期計画が公開されています。副題は「2020年までの『社会を変える計画』」です。目標(地域や社会のありたい姿)、目的(財団のありたい姿)、事業(「目標」実現するためのプロセス)、結果(製品やサービスなど)、成果(「結果」がもたらす人や組織の変化)、影響(「成果」がもたらす地域や社会の変化)という、いわゆる「ロジックモデル」に基づいて整理・記述されています。

ACE「ACEの長期目標・中期戦略」

2025年を目標にした長期目標と2022年を目標にした中期戦略が公開されています。2025年を目標にした長期目標はSDGsのターゲット8.7「2025年までの児童労働の撤廃」をそのまま援用しています。SDGsという社会環境や社会の要請をどのように計画に取り入れることができるのか参考になります。

CAPセンター・ジャパン「2020年度からの第2期中期計画」

第1期中期計画は、2013~2019年度の7年間になっています。第2期中期計画は2020年度~2024年度の5年間です。第2期中期計画は第1期の振り返り、理念(スローガン)の確認、SDGsとの関連(社会トレンド)、立案のプロセス、活動4つの柱と組織管理の構成になっており、シンプルながら要点を抑えた中期計画になっています。

NPO中期計画 策定のポイント

NPO中期計画 策定のポイント

2021.09.08

きょうとNPOセンター「きょうとNPOセンターの中期経営計画」

第1次から第4次まで公開されています。4~5程度の基本方針(活動の柱)を持つNPOが多いと思いますが、きょうとNPOセンターは9つの基本方針を設定しています。中期経営計画にキャッチフレーズをつけ、わかりやすく伝えようとしているところに共感が持てます。

シャプラニール「中期ビジョン2021~2025」

2021年に作成された2025年に向けた中期ビジョンです。5部構成になっており、1部では「新しいシャプラニール」、2部では「シャプラニールが培ってきたこと」、3部で「状況分析」、4部で「重点活動(具体的な活動の柱と方針)」、5部で「ビジョン実現のための組織」が説明されています。中期ビジョンとして、特に重要になっているのは 1部の「新しいシャプラニール」です。そこで「ツナガリ・チャレンジ・インパクト」という3 つのキーワード が示されています。重点活動には数値目標こそないものの活動の方針が書かれています。

シャンティ国際ボランティア会「5か年中期計画」

2024年度を最終年度とする「5か年中期計画」(5か年となっていますが、実際は6か年)が公開されています。シャンティの団体概要、活動概要、歴史、活動地域、活動成果などもあり、団体紹介パンフレットとしても活用できそうです。肝心な中期計画は、中期事業計画として1ページにコンパクトにまとめられています。

日本NPOセンター「中長期ビジョン2018~2022」

「日本NPOセンターが目指してきたもの」(設立趣旨やミッション)を出発点にして、「現状認識」、「私たちの今後の取り組み」(方向性と取り組み内容)と3章立てで構成されています。目次とともに、全体の見取り図があることで全体像を把握しやすくする工夫がなされています。NPOや市民セクターをけん引してきた日本NPOセンターがいまのNPOをどのように見ているのかという視点で読んでも学びのある中期ビジョンです。

NPOのビジョンのつくり方

NPOのビジョンのつくり方

2020.08.12

ハンガー・フリー・ワールド「新たな5年間の目標のもと活動しています」

2016年版の年次報告書のP18~19に、2016年度から2020年度までの4つの活動の目標が掲載されています。前中長期目標(2006年度~2015年度)の評価を教訓にして、現行の目標が策定されています。評価の結果、団体が実施する事業の達成度合いを目標にするのではなく、社会の変化を目標に据えている点は他のNPOにとっても参考になる点です。2020年度年次報告書には、2020年度までの中期計画の振り返りが掲載されています。

全国こども食堂支援センター・むすびえ「第一次中期計画 (中間まとめ) 確定版」

「中間まとめ」という表現から、中期計画の本体ではなく中期計画の中間報告だと思われます。冒頭の「2020年度より2022年度の活動方針を定める第一次中期計画を策定する」という記述からは3年間の中期計画というより3年後の年次計画(単年度計画)を策定したということでしょうか。このようにわかりづらい点はありますが、成果と課題、社会をどう捉えているかがまとまっており、活動5つの柱に基づいた詳細が記載されています。

NPOが組織基盤の強化を始めるために

NPOの組織基盤強化を考える

2021.01.15

中期ビジョン・中期計画をはじめて策定する際は、先行事例を収集し、完成形のイメージを持っておくことも大切な作業になります。同じ活動分野の先行事例を収集できるのが理想ですが、なければ他の活動分野や、企業や教育機関など他のセクターでもいいと思います。構成や指標の立て方など参考にできることだけを参考にしていけばいいのです。