プレスリリースのネタ探しや切り口になるポイントをご紹介したいと思います。頭文字がKなので「3つのK」と呼んでいます。
Kinenbi(記念日、祈念日)
ひとつめのKは、きねん日のKです。毎日が何らかの記念日になっています。朝の情報番組などでも「今日は何の日」といったコーナーを設けていることもあるぐらい取り上げやすいネタになります。ラジオ番組でもMCが小ネタとして話すことをよく耳にします。バレンタインデーや母の日、ハロウィン、クリスマスといった生活に定着したものもありますが、国連が制定した世界デーや企業や自治体が制定した記念日もあります。また、1.17阪神淡路大震災、3.11東日本大震災、4.14と4.16の熊本地震など祈念日という意味もあります。ただし、記念(祈念)日を切り口にする場合は、情報の鮮度がその日当日までと限られますので注意が必要です。早め早めの情報発信をお勧めします。
次にあげるウェブサイトを参考に、活動に関係する記念日(祈念日)を探してみてください。
Kisetsu(季節)
二つ目は、季節のKです。記念日ほど特定されない季節の話題です。毎年のことではありますが、その年の傾向や新しい取り組みなどが話題になります。参考に月ごとに季節の話題の例を挙げておきます。
4月 新生活(進学、就職)、初任給、花見
5月 ゴールデンウィーク、鯉のぼり(端午の節句)、五月病
6月 梅雨、衣替え、ボーナス
7月 夏休み、海開き、山開き、花火、キャンプ
8月 お盆、帰省、高校野球、夏休みの宿題
9月 新学期、台風
10月 運動会、衣替え、新米、●●の秋
11月 ボジョレーヌーボ解禁、冬支度、七五三、初雪
12月 寄付月間、ボーナス、忘年会、大掃除、今年の漢字、年末
1月 新年会、年賀、初詣、書初め、初売り
2月 受験、花粉症、節分
3月 卒業式
毎年のように新しい話題も生まれているので常にアンテナを高くしておく必要があります。新しい話題をキャッチするには、新聞よりも雑誌やテレビの情報番組で情報収集するがよいでしょう。
Key Word(キーワード)
三つめは、キーワードのKです。キーワードの種類として「数値」「地名」「流行語」があります。マスコミは数値を好みます。数値は具体的で客観的だからです。寄付の目標金額や支援者数、設立●周年など、数値で表せるものがあればプレスリリースに記載することをお勧めします。地名もきわめて具体的なキーワードです。新聞社の支局、コミュニティ紙など地域密着型のメディアは地域の出来事・ニュースを探しているので、イベントなどのプレスリリースにはタイトルで開催する地域名(市区町村までの住所)や会場を伝えます。
流行語もキーワードになります。 小売りやサービスなどの流行を把握するには「日経MJ」(昔の「日経流通新聞」です)が参考になります。日経MJは、月・水・金の発行で駅の売店で購入することができます。大きな図書館にはおいてあることもあるので、手軽に情報収集することができます。
3つのKは、語呂もよいので「きねんび、きせつ、キーワード」と覚えてください。3つのKはプレスリリースのネタ探しにも使えますが、イベントやキャンペーンを企画する時やブログやソーシャルメディアでの情報発信の参考にもなります。
3つのKが基本ですが、さらに2つ加えるとしたら、Kiroku(記録)とKinkyu(緊急)を挙げたいと思います。
Kiroku(記録)
プレスリリースを解説した書籍には、「最」「初」「1番」といったNo.1やオンリーワンを見つけましょうと書いてありますが、NPOやNGOではなかなか見つけるのは大変です。裏付けのあるデータを提示できる(ちゃんと記録がある)場合のみ、業界No.1、地域初といった表現を使いましょう。
Kinkyu(緊急)
緊急性の高い事件や事故に関する情報発信は取り上げられる可能性があります。NPOやNGOであれば、国内外問わず災害の発生や事件に関する意見表明などが該当します。
ぜひこれらを参考にメディアへの情報提供やイベントやキャンペーンの企画に活かしてみてください。