ファンドレイジング・コーディネーターって、どんな仕事をする人ですか?

フリーランスで仕事をする際、「ファンドレイジング・コーディネーター」という肩書を使っています。コンサルタントやアドバイザーなどほかにも候補はありましたが、あえて日本国内ではあまり使われていない「ファンドレイジング・コーディネーター」にしました。

WikiPediaによると「コーディネーター」には以下のような意味があるようです。

様々な要素を統合、調整し、まとめる人またはその専門職のことをいう。
コーディネーターは、高い専門性をもって一または複数の対象者に関わり密にコミュニケーションを取り、その要望や能力について正確に把握し、最適なマッチングと、事前準備を行い、対象者の協力によって、エンパワメントと調整を図り、対象者の目的達成に向けて、より良い結果を出すことを目指し、尽力する。
その活動は多岐に渡り、型にはめるのではなく、一つ一つのニーズに沿って創り上げていく。

WikiPedia コーディネーター

「高い専門性」「最適なマッチング」「対象者の協力によって、エンパワメントと調整」「対象者の目標達成に向けてより良い結果を出すことを目指す」「一つ一つのニーズに沿って創り上げていく」といったところが要点になるのでしょうか。

ファンドレイジングのなかの広報

寄付白書2015(日本ファンドレイジング協会)によると、寄付の直接のきっかけは「インターネットで知ったから」(16.5%)、「TVや新聞や雑誌で寄付先の活動が紹介されていたから」(10.7%)、「イベントに参加したから」(5.9%)となっています(※いずれも国際協力・交流などのカテゴリー1のみの割合)。ファンドレイジングにおいて広報・PRの役割は大きいと考えられます。

一方で、外務省が発行した「NGO の広報能力強化/NGO 認知度向上プロジェクト報告書」(編集:国際協力NGOセンター)では、調査対象は国際協力NGOの88団体に限られますが、過半数が1~2名の少数精鋭体制で広報に取り組んでいます。また、38%の団体が契約や嘱託職員、アルバイト、インターン、ボランティアによる体制です。

広報の仕事は、パンフレットやレポート類の制作、ウェブサイトの管理・運用、プレスリリース配信などメディアリレーションズのほかに、メルマガの配信、ブログやYouTube、facebook、twitter、Instagramといったソーシャルメディアの管理、クラウドファンディングやコンテンツマーケティングなど次々と生まれる広報手法やメディアへの対応も求められています。

広報担当者と一緒に汗をかく

業務量が増える一方、期待通りのファンドレイジングができれば内容を企画した事業部門のおかげになるし、失敗すると広報の責任という、広報・PR担当は損な役回りでもあります。組織内に広報活動への理解がないと、孤立してしまう可能性もあります。

だからこそ、広報担当者と一緒に解決策を考えて、一緒に汗をかき実務を行い、目標の達成を目指したいと考えています。あえて伴走型コンサルタントとは言わず、コーディネーターを名乗る理由です。

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