2月7日(火)の日本財団CANPAN・NPOフォーラムに登壇しました。ご参加いただいた皆さま、ありがとございました。講演テーマは「広報年間計画」だったのですが、若手NPO/NGO職員を対象にしていたのでNPO/NGOの広報担当者に求められる役割や広報の発想法もお伝えしました。
いまNPOに求められる「創り出す広報」(前半)
前半でお伝えしたかったのは「創り出す広報」です。他部署からの広報依頼や取材依頼を「待つ広報」でもなく、御用聞きする「探す(集める)広報」でもなく、自ら広報する内容を創り出し、提案してく「創り出す広報」について、私の体験や失敗を交えながらお話ししました。
「創り出す広報」を体験していただきたかったので、2つのエクササイズ(頭の体操)を取り入れました。簡単にエクササイズの内容をお伝えします。
ひとつめは、たまたま同じグループになった3団体ないし4団体の「共通点探し」です。新聞記事では単独で記事になることもあります。ただ、いくつかの団体がまとめられて紹介されると、より大きな記事になります。共通点が、その切り口になります。実際のエクササイズでは、「団体の代表や管理職が女性」という共通点を見つけたグループがありました。女性の活躍という政策トレンドにも乗っていて、いい切り口だと思いました。
競争に勝つために差別化を求められ、違いばかりに目が行きがちですが、より効果的な広報を考える上では、その逆にある、共通点を見つけることも有効になるのです。
ふたつめは「文脈(コンテキスト)」を創り出すエクササイズです。バレンタインデーは毎年のように新しい●●チョコなるものが登場します。たとえば、逆チョコ(男性から女性へ)、友チョコ(女性同士)、2017年は俺チョコ(男性が自分のために)なるものが登場しています。このようにバレンタインデーの文脈に乗りながら、新しい習慣・行動を考えてみましょう、というものです。参加者からは、チョコ(レート)ではなく、チョコットいいことをする日といったアイディアが出ていました。ほかにも、チョコレートそのものではなく、チョコレート味のもの、チョコレート色のものを贈るといったことも考えられます。
全く新しいことを創り出すことは難しくても、すでにある記念日や習慣に少し別の要素を付け加えてみる、見方を変えてみることで新しい文脈が創り出せます。ぜひチャレンジしてみください。
広報年間計画は、こう作る!(後半)
いよいよ後半が広報年間計画づくりです。広報は団体全体の活動にかかわる業務です。活動拠点や施設、商品などの事業だけでなく、会員総会や理事会、ボランティアの募集など組織運営に関することから、寄付や助成金・補助金などの財政まですべてを把握しておく必要があります。また、周年の年に当たっていれば、周年事業も検討しなければなりません。毎年行っている活動に加え、活動が増えることになるので、早めの調整が大切です。
特にチェックしておきたいのは、定例で送っている会報(ニュースレター)、総会のご案内、領収書など郵送物の発送のタイミングです。同封物を入れてコスト削減できますし、制作物も余裕を持ったスケジュールが組むことができるようになります。
イベントの企画や寄付キャンペーンは、ぜひ「創り出す広報」の姿勢で取り組んでいただきたいです。季節行事や記念日がイベントやキャンペーンを企画するうえで、強力な理由になります。2017年は「開発のための持続可能な観光の国際年」(国連広報センター)です。このような世界的な潮流やトレンドを踏まえて広報計画がつくれるとよいと思います。
CANPANでの報告記事もご覧ください。
以下の記事も講座でお伝えした内容になります。参考にしてください。