スキルアップを目指している非営利団体の広報担当者にオススメしたい本を集めてみました。ぜひこれらの本を読んで、本に書かれたことで実践できることに取り組み、スキルアップにつなげてください。
人を振り向かせる“さわぎ”のおこしかた
山崎祥之(著)
PRは「“伝える”を“伝わる”に変える仕事」というフレーズが特に印象に残っている本です。筆者は大手PR会社「サニーサイドアップ」のプロデューサーで芸能人やアスリートが登場するPRは必ずしも非営利団体にとって参考になる事例ではありませんが (サニーサイドアップは「ホワイトバンドキャンペーン」を企画したPR会社です) 、PR的発想は社会問題の解決に貢献できるという考え方に勇気づけられます。特にCHAPTER3とCHAPTER4は読んで損はありません。
最強のビジネス文書 ニュースリリースの書き方・使い方
井上岳久(著)
ニュースリリース(プレスリリース)の書き方が1冊にまとまった本です。ニュースリリース事例がふんだんに掲載されており、事例を通じてニュースリリースのポイントが学べます。この本の特徴はニュースリリースを報道機関(マスメディア)へ情報提供するための資料としてだけでなく、ビジネス文書(社内向けの企画書や取引先向けの資料など)としても活用できると考えていることです。兼任で多忙な非営利団体の広報担当者にとって活用できる技だと思います。
行列ができる「売り方」お悩み相談所
竹内謙礼(著)
この本は広報ではなく、販売促進・セールスプロモーションに関する本になります。集客やイベントに関しては非営利団体でも参考にできる点があります。寄付キャンペーンを企画するときにこの本を参考にしました。フェアトレード商品や寄付つき商品を扱っている団体は、ぜひ読んでみてください。
パッと伝わる! 公務員のデザイン術
佐久間智之(著)
デザインのプロには物足りない内容だと思いますが、公務員ならば作る必要性が出てくるチラシやポスター、通知文書を例に、色使い、フォントや写真の選択から、文章の書き方までデザインのコツが紹介されています。デザイン未経験者やいまいち自分のデザインに自信が持てない方に読んでもらいたい本です。「すぐに使える! 公務員のデザイン大全」という続編も出版されているようです。
ファンをはぐくみ事業を成長させる 「コミュニティ」づくりの教科書
河原あず(著)/ 藤田祐司(著)
イベントを企画・運営することが多い非営利団体の広報担当者にオススメしたい本です。この本のコミュニティは非営利団体が関わる「テーマコミュニティ」や「地域コミュニティ」ではなく、経済活動を活性化させるための「ビジネスコミュニティ」を扱っていますが、 たとえば会員やボランティアのコミュニティなど非営利団体のコミュニティであっても参考になることがたくさんあります。オンラインイベントの進め方や注意ポイントなども説明されているので、これからオンラインイベントに取り組みたいと思っている団体にとっては、参考図書になります。
沈黙のWebライティング —Webマーケッター ボーンの激闘—
松尾 茂起(著)/上野高史(イラスト)
ウェブサイトのアクセス数が増えないと悩んでいる広報担当者に一読していただきたい本です。ウェブ・ライティングがテーマであり、ウェブサイトにおける言葉の使い方や文章の書き方が解説されています。ストーリー仕立て(マンガ)になっているので、初心者・入門者でもわかりやすくなっています。「わかりやすい文章を書くためのポイント」や「取材を成功させるためのポイント」などウェブサイトに限らず、ライティング全般の教本としても役立ちます。
非営利団体の広報は、イベントの集客チラシをつくることだけではありません。集客チラシを作ることばかりにこだわっていると、非営利団体が行う広報の面白さやダイナミックさ、本来の目的を見失ってしまいます。ぜひ本を読むことで視野を広げ、スキルアップにもつなげてほしいと思います。