NPOのファンドレイジングと言っても、その手法は多岐にわたります。ファンドレイジングの手法は以下の3つに分類できると考えています。
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広報型ファンドレイジング
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営業型ファンドレイジング
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金融型ファンドレイジング
広報型ファンドレイジング
広報型ファンドレイジングは、広報手法を用いたファンドレイジングです。たとえば、ウェブサイト、メルマガ、キャンペーン、イベントなどを使ったファンドレイジングです。物品寄付(いわゆる「もったいない系寄付」)や購入型・寄付型クラウドファンディング、マンスリーサポーターなど少額の寄付を広く集める場合に効果を発揮します。自団体が管理しているメディアだけでなく、インターネット上にある社会貢献系の掲示板やソーシャルメディアを使いこなし、マスメディアにも働きかけ、情報を点から線、線から面へと広げていくことが勘所になります。お金をかけずにできることは多くありますが、成果が上がるまでに時間がかかるケースがあります。
営業型ファンドレイジング
一方、営業型ファンドレイジングは、営業を基にしたファンドレイジングで、対面型のファンドレイジングが基本になります。遺贈寄付、大口寄付、企業・行政との連携に取り組む場合に、営業型ファンドレイジングが用いられます。こちらは、新規寄付者を獲得するというより、既存寄付者を対象にして感謝を伝えるために訪問して活動報告し、長期的な信頼関係を構築してくことが重要になります。
広報型ファンドレイジング以上に相手に応じた丁寧な対応が求められるという点では、助成金や補助金、行政からの受託事業なども営業型ファンドレイジングと言っていいと思います。営業型ファンドレイジングを継続していくためには人材を確保することがなにより重要で、その分、経費がかかります。
金融型ファンドレイジング
金融型ファンドレイジングはあまりなじみがないかもしれませんが、銀行からの融資、金融型クラウドファンディング(リターンが物品ではなく現金)、債券(疑似私募債)の発行などが当てはまります。金融型ファンドレイジングに取り組むためには、金融に関する知識や経験が重要になります。金融機関や弁護士などの専門家の連携が必要です。
まとめ
広報型ファンドレイジングで支援のすそ野を広げつつも、営業型ファンドレイジングで長期的な信頼関係を築いていくという視点を持ちつつ、自分の団体にどの手法が必要なのか見極めていくことが必要です。
ファンドレイザーやファンドレイジング・コンサルタントにも、その人の経験によって得意不得意が存在します。外部に業務を依頼する場合や事務局や理事会で役割分担、新しく人材を採用するときの方針にしてみてください。