助成金とは、財団や企業などが、特定の目的のために、適格な団体に提供する資金(物品やサービスの場合もあります)のことです。助成金はNPOにとって重要な財源のひとつになっていますが、「自由に使ってよいお金」ではありません。助成金を獲得するためには、多くの場合、一定の条件を満たしていることを確認するために申請書を作成・提出する必要があります。助成金申請書の書き方のポイントを考えたいと思います。
条件を念入りに確認する
申請書の作成に着手する前に、活動内容や活動対象者(受益者)、団体の規模など助成金の要件・要領を入念に読み、すべての条件を満たしていることをじっくり確認することで、結果的に時間と労力を節約することになります。応募条件は、助成金によって大きく異なります。応募する時点で、報告内容の細かさも確認しておけると後で戸惑うことはなくなります。
募集要領の指示に従って書く
助成金によって申請書は異なりますが、それぞれの募集要領に沿って書き進める必要があります。文字数制限やページ数制限、予算の科目といった募集要領の指示を無視すると、それだけで不採択になってしまいます。もちろん、指示された提出期限や提出方法を厳守するのは当然です。定款や過去の財務諸表など申請時に資料を求められることもありますので、準備を始めましょう。
相手が知りたいことを書く
財団や企業は、あなたの団体のビジョンやミッションの実現のために資金を提供するのではありません。財団や企業自らのビジョンやミッションを実現するために資金を提供します。そのためには、「自分が言いたいこと」ではなく「相手が知りたいこと」を申請書に書く必要があります。財団や企業の理念や募集要領の選考基準を確認し、申請書の設問をよく理解することからはじめてください。
一貫性を保って書く
申請書には、「何の活動をするのか」「なぜその活動が重要なのか」「何に資金を使うのか」「活動がどのような変化をもたらすのか」を書くことが多くなります。活動内容と活動スケジュール、活動内容と活動予算など、一貫性を意識して申請書を書いてください。審査員が活動を正確に理解できるように数値データや支援事例といった情報なども加味しながら書きます。また、見出しやアンダーライン、太字を使って、審査員が読みやすくする工夫をしてみるのもよいと思います。
平易な言葉で書く
日常からNPOに慣れ親しんでいると、自分たちが使っている言葉の特異性・異質性が見えなくなってしまいます。特に、専門用語や略語、カタカナ語は要注意です。助成金の審査員は、あなたの活動に詳しくないと思って書いてください。自信のない場合は、あなたの活動をあまり知らない人に見てもらい、感想をもらうのが有効です。過度な修飾語は必要ありません。
助成金申請は、あなたの団体が、何のために支援を必要としているのか、それによってどのような変化が生まれるのか、をプレゼンテーションする機会です。不採択の通知を受けたときは、落ち込むのではなく、プレゼンテーションを改善する機会に変えてください。財団や企業からフィードバックやアドバイスを積極的に求めていくことをおすすめいたします。