寄付のお願いやボランティアの協力、イベントの共催など、NPOが企業にアプローチする場合、1社1社丁寧な情報収集が必要になります。企業のウェブサイトには様々な情報が記載されています。企業に関する情報収集のポイントと、見ておくべきウェブページをお伝えしたいと思います。
企業に関する情報収集する上での2つのポイント
ひとつは、企業のニーズや価値観を理解することです。どのような方針で社会貢献をしているのか、NPOにどのようなことを求めているのか、などを想像しながら情報収集をしてみてください。
もうひとつは、企業と自分の団体の共通点を見つけることです。事業拠点が同じであるとか、活動開始時期が同じであるとか、些細なことで構いません。受益者に女性が多ければ、企業の社員やお客様に女性が多いほうが理解されやすく、企業がNPO支援をする理由になるのは想像しやすいと思います。
見ておくべき企業のウェブページ
理念ページ
ウェブサイトで、まず確認しておきたいのは「企業理念」です。社訓や社是、経営理念、パーパス(存在意義)と呼んでいる企業もあります。大きな企業であれば、必ずと言ってよいほど理念に関するページがあります。自団体の理念と同じ言葉が入っていれば話の糸口になります。必ず確認しておきましょう。
サステナビリティ(CSRや社会貢献活動)ページ
もし企業のウェブサイトに社会貢献やCSRのページがあれば、必ず確認するようにしましょう。社会貢献の方針やこれまでの社会貢献活動事例が紹介されているはずです。最近であれば、SDGsへの対応やNPOとの協働事例などの掲載も増えています。CSR報告書を発行していれば、CSR/社会貢献のカテゴリーにPDFのダウンロードページがあります。企業の中には、財務報告とCSRなどの非財務報告を統合したアニュアルレポートとして発行し、投資家向けのページ(IRページ)に移っている場合もあります。CSR報告書には、報告対象年の活動内容のほかに、CSRや社会貢献担当部門の連絡先が掲載されていることも多く、企業に連絡するときに役立ちます。
採用(リクルート)ページ
企業訪問をする前の情報収集では、採用(リクルート)ページも役に立ちます。採用広報という活動があるくらい充実したページになっていることが多いです。採用ページでは企業が目指す姿を学生でも理解しやすいように説明してありますし、社長メッセージや社員インタビューなどから企業文化が推測できます。
プレスリリース(最新情報)
プレスリリースのページを見ると、経営方針や新商品の発表、資本提携など企業の最新動向を確認することができます。大口寄付や社会貢献に関するプレスリリースを配信することもあるので、過去1年分くらいは見ておくと参考になります。
会社概要
最後に確認しておきたいのは会社概要です。会社概要には、創業(設立)年、事業概要、社員数、拠点、歴史などが掲載されています。これらは基礎情報ですので、ひと通り確認しておくことをお勧めします。
企業と連携するには市民から広く支持されていることが前提となります。市民から支持されている団体だからこそ、企業も会ってくれますし、話を聞いてくれます。市民へのアプローチも欠かさずに取り組んでください。