ボランティアの募集では告知することに意識が行きがちですが、知らせるだけではボランティアはなかなか集まりません。ボランティアを集めるためには、さまざまな仕組みや仕掛けが必要になります。
ボランティア説明会を開催する
ボランティアの活動内容を理解できたとしても、実際に参加するには勇気がいるものです。なるべく参加のハードルを下げるために、ボランティア説明会を開催して、お試しで短時間のボランティアする機会を作ることをお勧めします。ボランティア説明会では、ボランティア作業の説明だけでなく、団体の理念とともに、なぜボランティアが必要なのか、ボランティア活動がどのように理念の実現につながっているのか丁寧に説明してください。
交流の機会を設ける
ボランティアはお金を求めて参加するのではありません。お金に代わる出会いや学びなどボランティア参加によって得られるメリットが必要です。気軽に有給職員と会話でき、ボランティア同士が交流できるように自己紹介の時間をとっておくことなどの工夫が大切です。交流を活発にするために、学生グループや曜日ごとのグループなどミニグループを作ってもいいと思います。学びのひとつとして、職員向けの研修会に ボランティアが参加できるようにするのもいいと思います。参加者が自分が成長していると手ごたえを感じることができれば、ボランティアに充実感を得てもらいやすくなります。ボランティアをすることは、誰かの役に立つだけではなく、人との出会いや新しい経験を通じた自分自身の成長になることも伝えましょう。
ボランティアの多様性を理解する
ボランティアの希望や要望は多様です。年1回の気軽な参加、毎月とことん参加、おひとり様での参加、お友達を誘ってグループでの参加など、どのような形でも参加できるように体制を整えておきましょう。ボランティア募集のときから「いつ辞めてもいい」と伝えておくだけで、ボランティアのハードルはグッと低くなります。経験や特技、趣味を活かせるボランティア活動も用意できるといいと思います。たとえば、記事の執筆、編集、写真や動画の撮影、編集、イベントの企画運営などが考えられます。ボランティアの希望だけでなく、団体内の希望や要望も調べておきましょう。
ボランティア以外の魅力を見つける
ボランティアを増やすには、「ボランティア活動したい」「社会貢献活動に取り組みたい」と思っている人以外にも働きかけをしていく必要が出てきます。ボランティアや社会貢献意識以外の「楽しそう」「面白そう」といった魅力を見つける必要があります。ボランティア活動に交流会や懇親会を組み入れたり、日頃から実施しているイベントにボランティア活動を加えてみることを検討してみてください。昼食なども一緒になった「1日体験会」という組み立てのほうがボランティア募集よりしっくりくるかもしれません。
「ボランティア」とひとことで言っても、ボランティアをする動機や興味・関心、ライフスタイルなどは実に多様です。ボランティアの多様性を常に意識して、特色のあるボランティア・プログラムをつくってみてください。